大国意識 2012 4 30

 中国から見下されたら、どうなるか。
その見本となるニュースがあります(時事通信社 2012年4月30日)。
「中国漁船員9人を逮捕=調査に抵抗−韓国海洋警察」
【ソウル時事】韓国の木浦海洋警察署は30日、
南西部・全羅南道紅島の北西沖で、
韓国側の調査に抵抗し、係官を負傷させたとして、
中国漁船の船長と船員ら9人を現行犯逮捕した。
 船長らは同日未明、
違法操業の調査をしていた韓国漁業管理団の漁業指導船の停船命令を無視して逃走。
漁船に乗り込んだ係官を凶器で襲い、2人の係官の頭部に傷を負わせた。
(以上、引用)
 韓国の係官が負傷したケースは、過去にも多数あります。
日本のマスコミが報道しないだけです。
 ほかにも似たような話があります。
フィリピンから米軍が撤退したら、
中国は、南シナ海に軍事的拠点を築きました。
これに対して、フィリピンが、いくら抗議しても、
全く無視されています。
これも「中国から見下されたら、どうなるか」という見本でしょう。
 日本は、今のところ、中国から見たら、
世界有数の経済大国で、高度な科学技術を持っている上に、
海上自衛隊は、世界有数の海軍力を持っています。
さらに、日米軍事同盟という後ろ盾があります。
 しかし、日本は、こうした基盤をいつまで維持できるのか。
こうした基盤に亀裂が入れば、日本も中国から見下され、
韓国、あるいはフィリピンと同じ運命になります。

試される日本外交 2010 11 6
 菅政権の苦境(2010年当時)については、
いろいろと考えられますが、
こうした苦境の原因は、菅政権だけの問題ではありません。
 鳩山政権が作ったとも言えるでしょう。
多くの国から強固に見えた「日米同盟」に亀裂が入ったのは、
鳩山政権の普天間基地問題の迷走が原因でした。
 強固だったはずの「日米同盟」に亀裂が入ったとすると、
当然、日本に利害関係のある国は、日本外交を試したくなるのです。
そこには、「脅し」もあれば「すかし」もあるでしょう。
 これを外交力で有利に切り抜けられるか。
おそらく難しいかもしれません。
長年の対米従属という「温室育ちの日本外交」。
さらに、日本には、外交戦略どころか、外交哲学もないでしょう。
 つい最近まで、日本で「国益」という言葉を使うと、
「右翼」と言われてしまうような雰囲気がありました。
こんな雰囲気では、外交戦略も外交哲学も育つはずがありません。
 政治家が堂々と国益を語れるようになったのは、
21世紀になってからでしょう。
(21世紀に入って、北朝鮮が大暴れしてくれたおかげで、
日本人の平和ボケが少し治ったかもしれません)
 強固な「日米同盟」があれば「かごの中の鳥」ですみましたが、
それに亀裂が入った以上、かごの中には猛獣が入り込むでしょう。
 こうした亀裂は、そう簡単に修復できないでしょう。
信頼を築くには数十年かかりますが、信頼を壊すには数秒で足りるでしょう。











































































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